ボールペンをカチカチするのに一番適したボールペンってどれ!?どれなの!?
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
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カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチこんにちは。カチカチカチカチカチカチカチカチゴードン松坂と申します。カチカチカチカチカチカチカチカチみなさんは幼少期にカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ自作マンガを描いたことはカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチありますか?カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチコロコロコミックやジャンプを読んでカチカチカチカチカチカチ自分もこういうの描いてみたいなあって思いカチカチカチカチ見様見真似で描き始めた人もカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ少なくないと思います。カチカチカチカチカチカチ
え?
カチカチうるさくて読みづらい?
すみません止めます。
でもこれだけは言わせてください。
改めましてこんにちは。サイクロプスのゴードン松坂と申します。
みなさんはボールペン使ってますか?
おそらくこれを読んでいる方の99%はボールペンを使ったことがあると思います。
年賀状などの手紙や公的な書類を書く際に必ず使用しますよね。履歴書とかもそう。修正液で直せないから何かミスったら新しい履歴書に書き直さなきゃいけない。ダルすぎ。ふざけんなよ。おい。
すみません取り乱しました。とにかく、多くの人がボールペンを使用した経験があることはお分かりいただけたと思います。
そしてボールペンと言えばカチカチ鳴るのも特徴ですね。文房具の中でもとりわけリズムを刻むのに適しているものだと個人的に思っています。次点で芯を抜いたホッチキス。
これはみなさんも経験されたことがあると思いますが、ボールペンをカチカチ鳴らす行為って1回始めちゃうとなかなか止められませんよね。
鼓膜に心地よく響く音、押した瞬間のハマった感覚、バネで押し返される手応えなど、ボールペンを押す時の気持ちよさを分析してみるとこのような要因が列挙できます。
他人のカチカチを側から聞いていると不快かもしれませんが、いざ自分でやると周りのことなど忘れて無限にカチカチしてしまうものです。エゴだよそれは。
でも……ここでひとつ疑問に思いました。
自分が普段何気なく使ってるボールペンよりももっとカチカチ鳴らすのが気持ちいい、押し心地のあるボールペンを見つけることができるんじゃないか……? と。
それを調べるために買って参りました。
近くの文房具店や百均で手当たり次第ボールペンを買い漁り、揃えたその数なんと22種類!
買い揃えている最中、他の文房具よりも種類が豊富で驚かされました。こんなに種類があったらもう気軽に「ボールペン買ってきて」なんて言えませんね。どれ買ってくりゃいいんだって話ですもんね(笑)。そんなシチュエーションねえか。わり。
もしかしたらみなさんの知らないボールペンもあるかもしれないので、じっくり紹介していきたいと思います。
ボールペン22種紹介
ZEBRA サラサシリーズ
その名の通りサラサラ書ける滑らかさが売りのメジャーなボールペンサラサ。
特にサラサクラップはカラーバリエーションが随一で、ボールペン界の色鉛筆と言っても過言ではない程に種類が豊富です。
一番下のサラサドライは紙に染み込みやすく、すぐ乾燥するので書いた直後に触れても掠れたり手についたりしないという特徴を持ちます。
サラサシリーズは個人的に一番贔屓にしているボールペンです。高校生の頃にサラサクリップを制服の胸ポケットに並べて虹色を作っていた記憶が蘇りました。なんでそんなことしたの?
ZEBRA スラリ/メタルボディ
エマルジョンインクという油性のしっかりした手応えと水性の軽さの両方の性質を持つインクを使った滑らかさにこだわったボールペン。
メタルボディはアルミでできており、半光沢のボディがビジネスシーンに良く合います。こちらにもエマルジョンインクが使用されています。スライムとメタルスライムの違いみたいなもんか。
ZEBRA タプリクリップ
他のボールペンより40%もインクが多く、たっぷり書けるボールペンです。
芯の長さがボールペンと同じくらい長く、確認しようと芯を抜いてみたら長すぎて仰天しました。
ZEBRA ブレン
ブレないという唯一無二の特徴を持つブレン。
書く時の振動を制御し、ストレスフリーな書き心地を実現した全く新しいボールペンです。
また、インクはエマルジョンインクを使用しているそうです。えっ、じゃあスラリのアイデンティティって……。
uni ユニボール シグノ RT/RT1
続いてuniからシグノシリーズです。シグノといえばキャップ付きのボールペンがメジャーですが、ノック式も存在していたようです。にじまない顔料インクが特徴で、鮮やかな筆跡を残すことができます。
RTはノック部分が突き出ており、RT1はクリップとノック部分が合体しています。RT1には更に特徴があり、ペン先のチップ先端の角が丸くよりなめらかな書き心地になっているそうです。ところでRTって何の略でしょうかね? 調べても出てきませんでした。リツイート?(そんなわけない)
uni ユニボールワン
紙への浸透を抑え、紙面上に黒くはっきりとした発色を可能としたユニボールワンインクが最大の特徴。
クリップ部分はオープンワイヤークリップが採用されておりノートや手帳に挟みやすいスマートな形状をしています。ボールペンのクリップって割れやすいですけどワイヤーなら壊れにくそうですね。
uni ジェットストリーム
摩擦係数が最大50%軽減された超低摩擦のジェットストリームインクを使用したボールペン。速乾性に優れていながらくっきりとした濃い線を書くことが可能です。黒い三連星。
uni ベリー楽ノック
ベリー楽ボシリーズのノック式ボールペンなのでベリー楽ノックという名前がついています。
今記事で初めてノック部分に触れたボールペンが出てきたかと思いきや調べても特にこれといって特徴が明記されているわけではありませんでした。しかし他のボールペンと比べてノック部分に丸みを帯びているので名が体を表す可能性もあるかもしれません。
uni パワータンク
唐突にボールペンに似つかわしくない名称が出てきましたが、このボールペンはまさに力のボールペンです。
圧縮空気を押し出すことで重力の方向を気にせず書くことができます。壁掛けのカレンダーや手に持った状態のメモでも楽に書ける強みを持っています。
PILOT ジュース
サラサに負けず劣らずの色の種類を持つPILOT社のボールペン。顔料ゲルインキを使用しているので水にも強く、黒い紙や写真の上にもインクが乗せられます。グループ魂。
PILOT レックスグリップ
段差が無く握りやすいグリップが強みのボールペン。
同じフォルムのシャーペンも売り出されており、そちらの方がメジャーかもしれません。
よく学校の前で塾とか大学の名前が入ったレックスグリップ配ってる人いなかった? いたよね?
PILOT アクロボール
インクの粘度を一般的な油性ボールペンの5分の1にしたアクロインキが使われているボールペン。
グリップも特徴的で滑りにくいタイヤのような凹凸があります。
PILOT ドクターグリップ
シャーペンでもお馴染みのドクターグリップ。二重構造のグリップや、中心に重量を集中させた最適な重量バランスが大きな特徴です。
アクロボールにも使われているアクロインキが使用されており、PILOT社の叡智の結晶とも言えるでしょう。今回揃えたボールペンの中ではボディが一番太く重くしっかりとしています。
PILOT フリクションボール
摩擦熱で消えるフリクションインキを使用した、唯一消せるボールペンです。また、クリップがノック部分となっているので他のボールペンとノックの感触が大きく異なります。
履歴書をフリクションで書いていいっていう法律作りましょう。この法案提出するためだけに出馬しますわ。
ぺんてる エナージェルシリーズ
ぺんてるからはエナージェルシリーズが3本エントリー。クリアで鮮明な文字が書けて、速乾性に優れていて書き心地も滑らかです。エナージェルは主に自由と想像をテーマとしており、自由に想い描く楽しさを全面に押し出しています。
一番上がエナージェルエックス。シンプルなモデルでシャーペンとしても販売されています。
真ん中がエナージェルエス。エナージェルエックスの後続として生み出され、よりシンプルなデザインになりました。
一番下がエナージェルインフリー。事務用ボールペンとしてではなくアイデア表現ツールという特色を強めています。クリアなボディと光沢のあるクリップとノック部分が他の黒ボールペンの中で一際目立ちます。
なめらかな油性ボールペン。軽やかさを実現するために潤滑剤がインクに配合されています。さらに超低粘度インキ、ビクーニャインキを使用することで疲れにくいなめらかな書き味を実現させました。就活生かってくらい潤滑であることをアピールするな。
以上22種類のボールペンを一気に紹介いたしました。主に書き心地やインクの性能についての紹介が多かったですが今回の検証においては九分九厘関係ありません。
さあ、ここからが本番です。これらを比較し、真にボールペンカチカチに適したボールペンがどれなのかを検証したいと思います!
それではやっていきましょう!
22種類もあんの?
検証開始!
さて、準備も整ったところで早速比較していきます。
と言っても、ただボールペンをカチカチ押して一番いいやつを選べばいいだけです。
いや〜楽でいいですね。
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
うーん
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
ほうほう
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
ははーん
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
なるほど
全然違いがわからねえ〜〜〜〜〜〜
ネットでコラ画像が量産されてる、こち亀の「全部同じじゃないですか」で有名なあの1ページと全く同じ状況です。これだからしろうとはダメだ!
ただでさえ人の顔を覚えるのが苦手なのに急に22種類もあるボールペンの違いを判別するなんて無理じゃないですか?
もしかしたら大して違いなんてないのかもしれませんね。
ボールペンは大体同じってことで結論付けちゃいましょう。
いかがでしたか?
みなさんが良きカチカチライフを送れるようボールペンをカチカチしながら祈っております。
それではさようなら。
……と、こんなもんでいいか。
ホントに、大して違いのないボールペンを22種類も比較するなんて正気じゃないよ全く……。
さ〜て、記事も書き終わったしお菓子でも食べるか〜。
このキャンドゥで2個100円で売ってた鬼滅の刃コラボのラムネにしよっと。
ん?
全……集中……?
……そうか!
極限まで耳と手に神経を集中させれば違いを感じ取れるじゃないか!!
さっきまでの自分には集中が足りてなかったのか……!
ありがとう炭治郎……。大切なことに気付かせてくれて……。オレ……この記事をテキトーに終わらせるところだった。
炭治郎は命懸けで鬼を狩ってるっているのに、ボールペンの違いを感じ取ることすら投げ出そうとしていたなんて自分が恥ずかしくなってきたよ。
よし……炭治郎にあやかって自分も……
家にあったそれっぽい羽織を着る!
これで全集中の気持ちを忘れずにボールペンの比較に臨めます。
雑なコスプレ?
では気を取り直して、再検証するぞ!
超絶分析タイム
改めてボールペンをカチカチしていく中で3つの大きな違いに気付くことができました。
まず音。カチというほとんどのボールペンをノックした時に鳴るこの音は、物によって大きさが違います。鼓膜にビリビリ響く鋭く大きい音のものもあれば、マイルドな静音だったりペンの内部に音が篭るものもあります。
また、聴こえるのはカチカチだけではなくバネが伸縮する音も同時に耳に入ってきます。カチカチだけ聴きたいのにシュコンシュコンというノイズが混じるので、このバネの音が大きいものは気持ちよさが微妙と言えるでしょう。
次に形状による押しやすさ。握りながらノックした時に、ノック部分がクリップと合体しているものは握っている指に触れて連打がしづらいことを発見しました。
そしてノック部分と本体の境界が斜めになっているものは押しやすいです。指の角度に対して境界部分が並行になっているので押す際に指が本体に触れず引っかかりのない連打が可能となります。
ノック部分の太さも重要です。細いものは連打すると指にノック部分がめりこむのでだんだん指が痛くなってきます。まさか中学の理科で学んだ圧力の分野がここで役に立ってくるとは……。
最後に押し心地です。これはバネの強さと言い換えられますが、押す際の反動や反発が弱いと押し心地がありません。かと言ってバネが強すぎてもすぐ指が疲れてしまいます。手応えがありつつもすぐ疲れない程度の塩梅のものがベストです。
急に真面目な分析が始まってビックリしましたか? すみません、ちょっと熱が入りすぎました。
暑くなってきたので脱ぎますね。
……さて、これらの分析を加味した上でいくつか候補を削っていきたいと思います。流石に22本を一気に比較するのは難しいので消去法で「これは違うな」となるものを前もって除外していきましょう。
まずは形状の観点から。ブレン、シグノRT1、フリクションはノック部分がクリップと一体化していますね。そしてジェットストリームはノック部分が細いので、これらは連打に適しておりません。
次に音。ジュース、スラリメタルボディ、サラサドライ、シグノRT、フィール、エナージェルシリーズはノック音が小さかったりバネの音の方がやかましかったりと純粋にカチカチ音を聴くには適しておりません。
そしてバネの強さと重さではパワータンクとドクターグリップが特に顕著でした。押しているとすぐに疲れてしまいます。ボールペン界の柔道部。
以上、14本を候補から外させていただきました。しかしこれらはカチカチに適していないというだけで悪質なボールペンというわけでは断じてありません。ちゃんと筆記用具として使う際にはそれぞれの特徴や個性を活かした書き心地や使い勝手の良さがあるので、今までもこれからもこのボールペン達を愛してあげてください。Love me tender...
しかし、まだ8本もの候補が残っております。これらは少なくとも不快感や雑念を感じずに押すことができる及第点の持ち主達です。
この先の比較はより至難と言えるでしょう。五十歩百歩どころか五十歩五十一歩です。
8本の中から1本を決める……。
なら
ちょうど8本なのでトーナメントで決められますね。ここからはトーナメント形式で1本ずつ比較し、最後まで残り続けたボールペンの勝者……もとい勝チを決めたいと思います。みんな好きでしょ? こういうの。
より精密で繊細な分析を以って実況解説していきますので、観客のみなさまは推しボールペンに温かい声援をお送りください。
それではやっていきま……
「ちょっと待った!」
え?
だ……誰ですか? っていうか一体どこから……
「ここだ!」
固有名詞すらない100均のボールペン!?
なんですか急に。
「なぜ俺を出さない!?」
だって言っちゃなんですがあなたって薄利多売ですよね。そんな低コストで作られたものが最もカチカチに適したボールペンな訳ないじゃないですか。
「そうやって勝手な決めつけと凝り固まった価値観でこんな企画が成功すると思ってるのか?」
む……痛いところを突きますね。いいでしょう。トーナメントに入る前にそのカチカチ具合も確認しておこうじゃありませんか。まあ結果は分かりきってると思いますけどね。
「俺を無下に扱ったこと、後悔するがいい……」
ではこのボールペンもカチカチしておきます。こんな1本10円のボールペンがカチカチするのに適してるわけ……
カチ……
!!!!!
これは…………
「フッ……どうだ?」
クリップ部分を押して戻すタイプのボールペンなので連打できませんね。
今回買ったボールペンの中で一番カチカチに適してないです。
適してないというかそもそもカチカチ不可能なので論外です。
「………………」
何も喋らなくなったのでトーナメントを始めていきましょう。
ボールペンカチカチトーナメント開催
いよいよ始まりましたボールペンカチカチトーナメント。会場は熱気に包まれております。
こちらがトーナメント表になります。
雑で申し訳ありません。
さあもう選手はステージへ上がってますので早速試合の行方を見届けましょう。
準々決勝 第一試合
サラサ VS サラサクリップ
最初の試合は同門同士の対決。もはや兄弟対決と言っても過言ではありません。というかこの2本に違いはあるのか? この違いを認識することはできるのか?
まさか初戦で引き分けになるなんてことも無きにしも非ずですが初めていきましょう。
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……
一緒やん。
困りました。バネの強さも音もほぼ同じです。流石はこのトーナメントの参加権を得ているだけありますね。両雄一歩も譲らずと言ったところでしょうか。
しかし決定的な一つの違いによってこの試合は決着がつけられました。
勝者は……
サラサ!
なんと本来であれば上位互換であるはずのサラサクリップがここで敗れる結果となりました。
サラサクリップの敗因、それはクリップの形状です。ことカチカチにおいて、可動して挟めるタイプのクリップはその可動が仇となります。クリップ部分が大きく出っ張り、カチカチを阻害してしまうためです。反対にサラサはカチカチを邪魔しない形状のクリップだったため、その押しやすさの差で勝利を掴み取ることができました。
こんな感じでやっていくけど大丈夫? ついて来れてる?
準々決勝 第二試合
スラリ VS タプリクリップ
続いて第二試合はスラリ対タプリクリップです。
片や頭の先から足の先までインクの芯が詰まった怪人。片やインクの個性を奪われほぼ無個性に等しい庸人。ボールペンとしての利はタプリクリップにありますが第一試合をご覧いただいた通り、このトーナメントは何が起こるか全くわかりません。
庸人が怪人を打ち破るか、はたまた怪人に飲み込まれるか。試合の行方を見ていきましょう。
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……
……第一試合よりも結果は明白でしたね。
勝者は……
スラリ!
スラリの無個性が怪人のタプリクリップを打倒しました。スラリが優れていたというよりはタプリクリップがカチカチに適していなかったと言う方が正しいでしょう。タプリクリップにはサラサクリップ同様、可動式のクリップがついていたので押しやすさの点で負けていました。さらにインクが本体の中に詰まっているのでカチカチ音が響かず籠った音になってしまいました。
サラサに引き続き、目立った機能や特徴を持たないボールペンが勝ち上がってきました。だんだん傾向が掴めてきましたね。この調子で第三試合にも参りたいと思います。
準々決勝 第三試合
ユニボールワン VS ベリー楽ノック
さあ現れました今トーナメントの優勝候補、ベリー楽ノックの登場です。今回集めた中で唯一ノックに関する特徴を持っています。
対するは全身黒ずくめ、コナンの犯人、ユニボールワンです。第一、第二試合でも重視された可動クリップですがユニボールワンはワイヤークリップなので可動クリップ特有の分厚さが軽減されています。
もう既に三試合目でダレてきましたがテンションを維持しながら最後までお届けいたしましょう!
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……
なるほどね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
つええわ。うん。つええ。
勝者は……
ベリー楽ノック!
こいつめちゃくちゃ強いです。ボールペンの中でベリー楽ノックだけノック部分が完全に丸みを帯びてて角がありません。なので押し込む時にそんなに力を入れなくても角度が悪くてもちゃんと押し込めます。こりゃあ楽ですわ。押しやすさだったらどのボールペンも敵うはずがありません。
完全に押しやすさ一点特化のボールペンが現れてしまいましたが、ベリー楽ノックを退けられるボールペンはいるのでしょうか?
準々決勝 第四試合
レックスグリップ VS アクロボール
準々決勝最後の試合です。両者とも紹介時にも特にパッとしない印象でしたがここにダークホースは紛れ込んでいるのでしょうか。強いて言えばレックスグリップが多少知名度がある程度ですが。観客席には塾通いの学生が応援しに来ております。
ますます比較に困難を極める試合が続きますが気を確かに持ちながらやっていきたいと思います。
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチパキパキパキパキパキパキ……
え音すごっ!
完全に見逃していました。第三試合に続き、一点特化の性能を持ったボールペンが息を潜めておりました……。
勝者は……
アクロボール!
アクロボールのカチカチ音は凄まじいです。もはやカチどころではなくプラスチックをへし折ったかのようなパキパキした音。ここにきて音に特化したボールペンが現れました。残りの試合数もあとわずかだというのに、まだまだ波乱が待ち受けていそうです。
さあ準決勝へと参りましょう。
準決勝 第一試合
サラサ VS スラリ
互いに上位互換が存在する者同士の対決です。そして互いにシンプルなデザイン。特にこれといった特徴を持たずしてここまで勝ち上がって参りました。はたして、何が両者の差をつけるのか。試合が始まるまでは全てが闇の中。それが……ボールペンカチカチトーナメント!
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……
うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
拮抗してる〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
いやこれはキッコーマンの醤油〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
拮抗も拮抗。ほぼ互角、ほぼ同等の押し心地と音なので甲乙つけがたいことこの上ありません。
悩みに悩んだ末、勝者を選ぶことにしました。
勝者は……
サラサ!
同じZEBRA社の製品なので品質自体に優劣がなかったのであとはデザインの違いでしか比較することができませんでした。その結果、スラリよりもカチカチする指を邪魔しないクリップの形状をしていたサラサが勝ち上がりました。本当に微々たる差です。もしスラリがサラサと同じクリップのデザインをしていたならばこの試合は永遠に決着がつかなかったことでしょう。
しかしスラリも無個性ながらもここまで勝ち上がってきました。表彰台には上がれないものの彼(?)には是非とも敢闘賞を贈りたいです。皆様も彼(?)の健闘を讃え大きな拍手をお送りください。
準決勝 第二試合
ベリー楽ノック VS アクロボール
やってきました今トーナメントの好カード。押しやすさのベリー楽ノックと音のアクロボールがついに対峙しました。準決勝第一試合と全く真逆の個性と個性のぶつかり合い。押しやすさが勝つか音が勝つか。ボールペンカチカチに求められている要素はどっちなのか?
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……
今までの試合は微々たる差を見つけて勝者を決められていたのですが、今回はあまりにも双方がそれぞれの個性で勝負してきています。みんな違ってみんないい。
音に重点を置くか押しやすさに重点を置くか、はたまた……?
勝者は……
ベリー楽ノック!
音対押しやすさ、分があったのは押しやすさの方でした。アクロボールの敗因は音が強すぎたことです。押しやすさに際限はありませんが音はある一定の大きさ、鋭さを越えると鼓膜にダメージを与えるようになってしまいます。保有する強みは必ずしも対等ではなく、音の特化よりも押しやすさに特化した方がデメリットなく強みを発揮できるという結果となりました。
いよいよ次が最後、決勝戦の幕開けです。
決勝戦
サラサ VS ベリー楽ノック
皆様、大変お待たせいたしました。読んでいる皆様にとってもこれを書いている僕にとっても長い道のりでしたね。
シンプル・イズ・ザ・ベスト、サラサ。
その名を背負いここまできた、ベリー楽ノック。
8本の中の頂点……いえ、22本の中の頂点が今決まります。
決勝戦……始めましょう。
レディ……ファイッ!
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
……………………………………
今はただ2本のボールペンのアンサンブルが奏でられています。
この場で多くを語るのは野暮でしょう。
……長考の末、自分の中で結論を出すことにしました。
『ボールペンをカチカチするのに一番適したボールペン』
それは………………
サラサ!
ついに決まりました! サラサが優勝です!
押しやすさという強みで勝ち上がってきたベリー楽ノックを退けられた要因、それはサラサが全てにおいてバランスが良かったことです。
音はしっかりとしたカチカチ音、押し心地は疲れすぎず弱すぎない丁度いいバネの強さ、そして連打を阻害しない形状のクリップゆえの押しやすさ。この三点を持っていたボールペンこそがサラサだったのです。
ベリー楽ノックは押しやすさというひとつ大きな強みを持っていたものの、押し心地と音でサラサに劣っていました。真にカチカチに適したボールペンとは全ての要素がバランス良くあってこそのもの。そのバランスを持つ者が、今回集った22本のボールペンの中に存在したのです。
というわけで結果に参りましょう。
皆様もサラサをカチカチ専用のボールペンとして筆箱の中にベンチ入りさせてみてはいかがでしょうか?
それでは今回はこの辺で。次は『クルトガ口金ベーゴマ大会』でお会いしましょう。
さようなら。
…………無事に終わったはいいけど。
この大量に余ったボールペン、どうすりゃいいんだ……。
今日日、ボールペン使う機会なんて実際そんなにないしなぁ……。
あっそうだ!
冒頭にチラッと出てきた小学生の頃に描いた自作マンガ
あれ読み返してみたら後ろの方のページが白紙だったんだ!
自分が鬼滅の刃にヒントを与えてもらったように、自分の描くマンガも人に何かを与えられるかもしれない……!
見てるか……若き頃の自分よ……お前の想いは俺が受け取った……!
俺がこの物語の結末を描き、また別の誰かに想いを伝えるんだ!
カチカチのやりすぎで右手が腱鞘炎になってしまいました。
皆様もカチカチはほどほどにしましょう。